私は現在LLMを搭載したWebアプリケーションの開発を行っており、インフラ基盤にはAzureの各リソースを利用しています。 最近、チームに新たに入るメンバー(アプリ開発者・クラウド経験なし)へ、Azureの基礎について教育を行うこととなりました。その際、クラウド初心者へ向けて体系的にAzureサービスを説明するための参考書として本書を読みました。
Azureの知識地図 〜クラウドの基礎から実装・運用管理まで
土田 純平, 永田 祥平, 栗本 美穂, 石塚 航希, 乃村 翼, 草谷 一輝, 酒見 一幸
本書は具体的なAzure Portalの操作や、実践的なWebアプリケーションのデプロイ・運用方法などについてフォーカスを当てるものではありません。
「Microsoftが公開しているAzureの公式ドキュメントに書いてあることがわかるようになる」
Azureおよびクラウドの基本概念、AzureサービスにおけるIaaS、PaaS、SaaSについて、よく使うサービスの紹介がされています。クラウド初心者がAzureの基礎と全体像を体系的に学ぶことに特化したまさに「知識地図」となっています。
おすすめの人
- クラウドサービス初学者(開発者・PM)
- 他クラウドサービス経験があるがAzureについても学びたい人
- すでにAzureの一部サービスを使っていて、Azureを体系的に学びたい人
おすすめしない人
LLM WebアプリケーションやAKSを利用したいなど実践・具体的なアプリやサービスの構築手法をピンポイントで知りたい人
概要
本書はAzureの基本→各リソースの概要→システムの構築・設計とつづき、最終章ではこの本のネクストステップとして公式ドキュメントや認定資格が紹介されています。
章立てについて、「リソースの概要が分かったから、次は実際に構築か。セキュリティなどはどうするんだろう?」といった、次に湧いてくる疑問や行動へのアンサーとして次章が提示されており、すんなりと頭に入りやすかったです。また本書を読み終わってから、さらに知識を深めるための道しるべも提示してくれているのは親切に感じました。
目次
第1章 クラウドサービスとAzureの基礎
クラウドサービス、Azureの基本(リージョンやリソースグループなど)、Azure Portalへのログイン方法などのハンズオンについて記載。
第2章 AzureのIaaSを知ろう
AzureのIaaSサービスであるネットワークやVMの基礎、閉域環境構築の基本(プライベートエンドポイントやエクスプレスルートなど)について記載。
第3章 AzureのPaaSを知ろう
複数のPaaSサービスの基礎、Webアプリ、ストレージDB、データ分析基盤、API管理、AIサービスなどについて。
第4章 Azureでシステムを構築・運用しよう
システムのセキュリティガバナンスの強化方法、運用監視ツール、Azure Well-Architected Frameworkについて、実践的なアーキテクチャシナリオ。
第5章 Azureの知識の深め方を知ろう
Azureの認定資格や情報収集方法について
まとめ
本書は非常に効率的にAzureの体系的な知識を得るための最適な入口、Hub的存在だと感じました。
非常に巨大かつ深いサービスであるAzure クラウドサービスにおいて、まず全体像について概要を知識としてマッピングしておくことはとても重要で、都度都度各サービスのMS公式ドキュメントを読むのはとても大変です。
私がAzure案件の初参画時は、とにかく公式ドキュメントを読みまくって手を動かし続けていました。もっと早くこの本に出会っていれば、あの時の苦労が大幅に軽減されていたことでしょう。
総評:4.5 / 5
Azureの知識地図 〜クラウドの基礎から実装・運用管理まで
土田 純平, 永田 祥平, 栗本 美穂, 石塚 航希, 乃村 翼, 草谷 一輝, 酒見 一幸
また知識地図は本書の他にも「AWS」や「セキュリティ」や「Kubernetes」、昨今話題の「SRE」といった様々なシリーズ展開されており、各書ともに非常に評価が高いため、私も少しずつ読んでいきたいところです。
AWSの知識地図 〜現場必修の基礎から構築・セキュリティまで
菊池 修治, 深澤 俊, 谷山 優依, 洲崎 義人, 伊豫谷 優希